BELLRING少女ハート 朝倉みずほ&田中紘治×成田大致with大内ライダー

「夏の魔物」10回大会の開催を記念して、主催者・成田大致がタッグ・パートナーの大内ライダーと共にリスペクトしてやまない人物と対談をおこなう「夏の魔物10回記念対談」。最終回のお相手は、アイドルのヘッドライナーとして出演が決定しているBELLRING少女ハートから、朝倉みずほと運営の田中紘治氏が登場。開催まで1週間を切り、タイムテーブルが発表された翌日におこなわれたこの対談、注文したアイスティーの中に席にあったミルクのボトルを無意識に全部注いで空にしてしまうほど(「ミルクの味しかしない」成田・談)、開催直前で頭がパンパン状態の成田を前にして、独特のペースでコメントするみずほ。目前に迫った「夏の魔物」10回大会に、ベルハーは果たしてどんなビッグウェーブを起こしてくれるのか!?

取材・文 岡本貴之

―BELLRING少女ハートは、ユニットの『夏の魔物』のイベントに最多出演しているんですね。

成田:そうです!
田中:どうもお世話になっております。
成田:今回、連載対談の最後にご登場頂いたのは、今年の「夏の魔物」ヘッドライナーということもありますし、ベルハーは今年の「夏の魔物」象徴だからなんですよ。

―田中さんは、フェス「夏の魔物」にはベルハーが出演する前から注目していたんですか?

田中:噂はすごい聞いていたんですよね。「山を売った」とか(笑)。
成田:やっぱり(苦笑)。
田中:そういう噂を聞いていたので、たぶん趣味の域を突破しちゃった人がいるんだろうなと思っていて。ただ、僕は普段からフェスとかに足繁く通っているわけではないので、どういったラインナップで、とかまでは詳しくなかったんですけど。でも最初に出演させて頂いたときに過去のブッキングを見させて頂いて、「安定のフェス」というよりは、結果何かが起こっちゃうことを狙っているんだなっていうのが見えたんですよ。だからそれでベルハーを呼んで下さったならすごくありがたいなと。ベルハーというものがライヴでどうなるかを期待してくれたのかなというのがあって。それで1回目(2013年)2回目(2014年)と出させて頂きました。

―成田さんはどんなきっかけでオファーしたんでしょうか。

成田:たぶん、「TRASH-UP!!」とかで知ったと思います。その時期色々ライブを観に行っていたこともあるし。
田中:ベルハーが「TRASH-UP!!」(2013年5月発売のVol.15)で初めて表紙にして頂いて、結構大きい特集を組んで頂いたんです。メンバー個人をピックアップしてもらって。あれでベルハーのことを知りました、という人が結構いたんです。変なユニットがいるというのは噂では聞いている人はいたと思うんですけど、あれでようやく市民権を得たというか(笑)。それで「ああ、ちゃんと評価されるものなんだ」って。それまではベルハーのことを「なんじゃこりゃ?」って、どう捉えたら良いかわからないみたいな人が多かったと思うんですけど、「TRASH-UP!!」にここまで大々的に取り上げられるなら良いものなのかなって思った人が多かったんじゃないでしょうか。

―2013年にベルハーが初出演したときに成田さん大内さんはライヴを観れたんですか?

成田:食堂に出てもらって…あれ、遅れて来たのっていつでしたっけ?
田中:初回の年ですね。
ライダー:ああ、ありましたね(笑)!
田中:夜行バスで向かっていたんですけど、高速道路で事故があっていつのまにかバスが下道を走っていて、間に合わなかったんですよ。出番は12時だったんで10時くらいに会場入りしている予定だったんですけど、ものすごく大幅に遅れてしまって。「すいません、間に合いません」っていうことで最初は尺をカットしましょうか、という話になったんですけど、それでも間に合いそうもなかったので、時間をずらして頂いて。
成田:そのときに、僕はスタッフと「夏の魔物」始まって以来、初めて大喧嘩をしまして。
ライダー:ありましたね。食堂のステージ(道場ステージ)でね。
田中:なんで喧嘩したんですか?
成田:そのスタッフが時間の融通というか、「アイドルのために、タイムテーブルを変更する必要性はないでしょ。」というような事をいわれて、めちゃくちゃ怒りましたね。(笑)
田中:うわ~すいません!申し訳ないです(笑)。
成田:いえいえ(笑)。丁度ベルハーや他の出演者の方に対しても、勝手に優劣をつけていて。そういうところが気になってたんですよ。ほら、俺、普段まったく怒らないじゃないですか?

―確かに怒っているところは見たことないですね。

成田:来ない奴らが悪いでしょみたいなことを言われて。でも、遅れてでも出したいとか、キャンセルさせるとか決めるのは、はっきり言って責任をとる主催(成田)じゃんって思って(笑)。ねじ込んで、出演してもらいました。

―これまでの対談では「夏の魔物」はフレキシブルに対応してくれるところが良いフェス、という話が出ていましたけど、舞台裏ではそういうこともあったんですね。

成田:そうですね。だからまあ、どっちかと言うとスタッフの方がしっかりしているんですけどね(笑)。
田中:去年出たときに、ベルハーはライヴの後にスタッフの人に怒られましたね。僕は「夏の魔物」のスタッフに怒られるとは思わなかったです(笑)。
成田・ライダー:ははははは!
田中:「怪我人が出たらどうするんだ!」って。めちゃくちゃやったんで(笑)。
ライダー:ベルハーと同じ時間のメインステージがTHA BLUE HERBさんだったんですけど、ライヴ前に僕が歩いていたら田中さんにたまたま会って、「ちょっと色々やろうと思っているんですけど、THA BLUE HERBさん大丈夫ですかね?」って訊かれて。「先に謝りに行っていいですか?」って言われたのを覚えています(笑)。
田中:僕は東京に来る前が札幌だったんで、ボス怖いんですよ(笑)。
ライダー:ああ、なるほど。札幌のトップだから。
田中:なので、最初に筋を通せば本番中に何かあっても許してくれるかなと思って(笑)。でもまあそこはいいんじゃないですかって流れになって。結局、ベルハーが道場ステージにイスやら何やら持ち出したり、最後外に出て行ってめちゃくちゃやって。それで戻ってくるときに「ああ怒られるかなあ」ってトボトボと山道を歩いていたら、ボスが丁度MCで自分のお客さんに向かって、「フェスなんだからさ、思ったことやれば良いんだよ!」みたいなことを言っていて。「ああ大丈夫だ、セーフ!」って(笑)。
成田・ライダー:ガハハハハ!
田中:でもスタッフからは怒られましたけどね。まあオタクからも怒られましたけど(笑)。
ライダー:そのとき、社長はまさにTHA BLUE HERBさんを号泣しながら観ている真っ最中で、僕は(大森靖子に頼まれて)コーラの旗を取りに行っている最中だったので観ていませんでした(笑)。
一同:あははははは!
田中:その日僕は、色々と判断能力が鈍っていまして。というのも、41℃の熱があったんです。
ライダー:ええっ!?
成田:そうだったんですか!?
田中:そうなんですよ。「ヘルパンギーナ」っていう、口の中が口内炎だらけになるやつで、大人が罹ると高熱が出る病気で。青森に移動している最中に「あれ?なんかおかしいぞ」と思って、着く頃には41℃の高熱が出ていて。それで救護班に来てもらって炎天下のテントの中で僕は毛布に包まってガタガタ震えながら寝ていて(笑)。
ライダー:それは知らなかったですね…。
成田:俺も知らなかったですよ。今初めて知りました。
田中:もう、とりあえずやったれって色々やった後にオタクに囲まれて怒られているときもなんかずっとボ~っとしてましたね(笑)。

―それって救急車で運ばれてもおかしくなかったのでは?

田中:そうですね。青森に着いたときに病院を探したんですよ。でも保険証を持っていなかったんで訊いたら後日直接持ってきてくれと言われて。東京に住んでるから郵送かFAXじゃ駄目ですか?って訊いたんですけど、頑として「いや、持ってきてくれ」って言うから、「じゃあしょうがないから乗り切ろう」みたいな(笑)。
ライダー:ええ~!
田中:もう、水を飲んでも飛び上がるくらいの激痛なんですよ。水も飲めない。
成田:そうなんですか!?じゃあ去年の「夏の魔物」はあんまり楽しめなかったですかね。
田中:いや、でも音楽は楽しいですよ(爽やかに)。
一同:(爆笑)。
ライダー:“音楽は楽しいですよ”(笑)。

―田中さんは「道場ステージ(室内ステージ)」の第一印象はどうでした?

田中:「外の方に出させてくれ!」って(笑)。
成田:ガハハハハ!
田中:でも、環境が環境だったらでそれをひっくるめてどう遊ぶかなんで、鍛えられましたよね。以前、後藤まりこさんからツーマンのお誘いが来たときも、お客さんからステージが全然見えなかったんですよ。それをどうしたら、フォーメーションで踊っている女の子たちがお客さんにアピールできるかというのは、色々考えるようになったので。だから「おっこれは!?」っていうシチュエーションを見ると、頭をフル回転しますし、それが楽しいですね。
成田:なるほど。
田中:やっぱり良い環境に立つと、結局それはいつものライヴになっちゃうので。この状況で勝ちを取りに行くにはどうしたら良いかというのは考えますよね。で、去年それをやり過ぎたという(笑)。まさか魔物のスタッフから怒られるなんて(笑)。
一同:ガハハハハ!
ライダー:スタッフは別にみんな、真面目ですからね。この辺(成田・大内)がちょっとおかしいだけで(笑)。スタッフは普通の人ですから。

―成田さんがベルハーに出演してほしいと思った決め手ってなんですか?

成田:今、田中さんもおっしゃっていましたけど、イベントに出るときに「勝ちに行く」感じ、ファンを頂きに行く感じがすごいなって。2013年に出てもらって以来、東京のライヴハウスでも大事なイベントには必ず出てもらっていますからね。
田中:“いかがわしさ”がマッチングすると思うんですよ。魔物が連れてくるアイドルだからやっぱりそうか、みたいな(笑)。

~ここで朝倉みずほが到着~

みずほ:こんにちは、よろしくお願いします。
ライダー:一気に雰囲気が変わりましたね(笑)。
成田:華やかになりました(笑)。
田中:飲み物どうする?
みずほ:(メニューを見て):じゃあココア。
店員さん:ご注文は?
みずほ:コーラください。
一同:……ん?
みずほ:あ、間違えた(笑)。
ライダー:めっちゃ自信満々にコーラって言ったけど(笑)。
田中:(店員さんを呼びとめて)すいませ~ん、コーラ無しで。
みずほ:すいません、アイスココア下さい(笑)。

―成田さん、大内さんとはイベント等で良く会っていると思いますが、話したことはありますか?

みずほ:(首を横に振る)。
成田:まったく話さないですよね?
みずほ:ご挨拶するくらいですね。あ、でもきたしんの話はしました(笑)。
ライダー:大森靖子オタでみずほちゃんオタの変わった中国人の子がいるんです。その子の話くらいしか共通の話題が(笑)。
みずほ:あははは(笑)。

―これだけ共演しているんだから他にも共通の話題あると思いますけど(笑)。みずほさんは、フェスの「夏の魔物」にどんな印象を持っていますか?

みずほ:初めて出たときは、裸の人がいて、パンツ一丁の人がいてびっくりしたっていう想い出です。
田中:それってクリトリック・リスじゃないよね?

みずほ:でもMARZさんの楽屋とかにも…(クリームの乗ったアイスココア到着)あ~すごい!…楽屋とかにもいるからびっくりしました。
成田:アントンさんですね。

―プロレスは観たことありますか?

みずほ:ないです。

―じゃあユニットの「夏の魔物」を見てどう思いました?

みずほ:裸の人がいて、お面の人もいて、みたいな。
成田:ガハハハハ!お面。
ライダー:そうですね、その通りです。
成田:最初に新宿レッドノーズに出てもらったときに、みずほちゃんは一人で現場に入って、その時「田中さんはどこにいますか?」って聞かれたのを思い出しました(笑)。
みずほ:田中さんがどこにいるかわからなかったんですよ。
田中:それを成田さんに聞いたの?
みずほ:はい(笑)。
成田:ガハハハハ!それがファーストコンタクトです。
ライダー:社長はどうして今日、みずほちゃんを単独指名だったんですか?メンバーがたくさんいる中で。
成田:単純に、面白いし興味深いからですね。ステージを観ていても、インタビューとか読んでいても一番面白いからです。
みずほ:ありがとうございます。やった!
ライダー:ベルハーの中で一番最初からいるメンバーですか?
田中:そうですね。初期メンバーはみずほだけです。一番続いてます。けっこう最初の頃は入れ替わりが激しかったんですけど。なかなか底に当たらない子が残りますね。
成田:みずほちゃんはものすごい人間力を感じますね。普段からナチュラルな感じがあるというか。
ライダー:何年目ですか?
みずほ:3年経ちました。
成田:最初にレッドノーズに出てもらった時は、確か3人くらいのライヴだった気がします。みんな欠席、みたいな。
みずほ:フフフフ。
成田:3人しかいないプラス、田中さんがなかなか来ないということで、なんかすごい困ってる感じがあって(笑)。それと、「(ベルハーの本番で使用する音源の)CDありますか?」って聞かれた記憶があります(笑)。
みずほ:あはははは。

―ベルハーのライヴを最初に観たときはどんな印象でしたか?

成田:みずほちゃんのような、象徴的な人がいるユニットってすごく魅力的だなって思いましたね。最初に観たときからみずほちゃんに注目していた感じですね。
みずほ:(無言でピース)
田中:声出さないと音が入らないから。ピースじゃなくて(笑)。
一同:(笑)。
みずほ:あ、そうか(笑)。

―みずほさんは初対面のときどうでした?

みずほ:成田さんは、初めて見たときは髪の毛の色があったから(金髪)。だから「ウェイ~」だと思った。
田中:チャラいと思ったってこと?
みずほ:はい、ウェイウェイみたいな人だと思いました。ライヴを観たら「歌ってる!」と思って。プロレスをする人かと思っていたので、そしたら歌う人でした(笑)。
成田:(笑)。すごい的確。
田中:基本、見たまんまのことをしゃべるので。
ライダー:でも、そういえばそうだなって(笑)。全部正解ですよ。
みずほ:いつか、私にもやってほしいんですよ。ライダーさんのあの緑のメイクを。半分だけやってほしいです。
ライダー:やりましょう!
みずほ:はい、今週。
ライダー:今週?「夏の魔物」で(笑)?
みずほ:え、忙しいですか?
ライダー:いや、今週は一番良い出番だからちゃんとやった方が良いと思います(笑)。
成田:ガハハハハ!
田中:ギターで共演すれば?今、アコギ練習しているんですよ。
みずほ:でもFとか出来ないんですど。簡単なやつ。

―ギターを練習して弾き語りをしたいんですか?

みずほ:う~んと…
田中:今たぶん、「弾き語り」がわからなかったんだよね。ギターを弾きながら歌うのをやりたいんだよね?
みずほ:ああ、はい(笑)。
成田:YUIとか好きなんですよね?
みずほ:はい、そうです。…見てるんですか、私の話したやつ(インタビュー)?
成田:見てるってさっき言ったじゃん(笑)!
みずほ:嘘かと思ったから(笑)。ごめんなさい。

―(笑)なんで嘘だと思ったんですか?

みずほ:そういう人いるじゃないですか、嘘言う人。だから、嘘かと思って(笑)。
成田:本当です!
みずほ:すいません(笑)。本当だった。
ライダー:ベルハーは、特にみずほちゃんはそうなんですけど、女の子と話しているというよりは、なんか不思議な「未確認生命体」と話しているような感じで(笑)。
みずほ:未確認生命体…?
田中:(笑)。
成田:でもその表現はわかります(笑)。
ライダー:なんか違うんですよね。悪口じゃないですよ、ほめてるんですよ(笑)?だからベルハー自体が面白いというか、未知との遭遇というか。

―みずほさんにとっては「夏の魔物」初出演のときが未知との遭遇だったと思いますが、最初に出た年はどんなことを覚えていますか?

みずほ:初めて「道場ステージ」に出て、サウナでライヴしてる気分でした。
田中:暑かったね。
みずほ:暑かった。本当に「サウナだあ~」って思って。でも、なんか裏に屋台みたいなのがあって、食べたんですよ。美味しかった。

―何を食べましたか?

みずほ:何食べたかなあ…
ライダー:ホ?ホ?
みずほ:ホタテだ!
一同:(笑)。
ライダー:ホタテの話また出ましたね(笑)。良かった、ホタテ食べて(笑)。
みずほ:あれはどこから?青森のなんですか?
成田:そうです、地元の。
みずほ:釣ったんですか?
成田:釣ったというか(笑)。地元の漁師さんが獲ってくれたホタテです。
田中:去年は食券をなくして食べられなかったんだよね。
みずほ:そうでした~。誰がなくしたんですか?
田中:俺。
成田:ははははは。
みずほ:やだ~。じゃあ今年はブッチさんとかに持っててもらいます。ホタテは美味しかった思い出はあるんですけど、味は覚えていないです。ただ美味しかったのは覚えています。あとはサウナ(笑)。
成田:会場がスキー場なんでクーラーがないんですよ。
ライダー:ああ、なるほど(笑)。
田中:特にうちは羽が生えてるんでね(笑)。
成田:ああ…(笑)。
田中:今年、神聖かまってちゃんと2マンをやったの覚えている?
みずほ:はい。
田中:あのときに、成田さんがベルハーを今年の「夏の魔物」のヘッドライナーにするって言ってくれたんだよ。ヘッドライナーってわかる?
みずほ:トリ!?
田中:トリとは限らないんだけど、メインということだね。今年はヘッドライナーとしてどんな感じでかますの?
みずほ:今年は、がんばります(笑)。
成田:ははははは!
みずほ:きっと楽しいから、それプラスがんばれば最高だと思うから、がんばります。

―ベルハーをヘッドライナーにした理由を教えてもらますか?

成田:かまってちゃんとの2マンライヴを観て、素晴らしいなと思って。
みずほ:(ピースサインで)イエイ。
田中:あの日のライヴを観て、決断してくれたというのが個人的には驚きで。
成田:ああ、本当ですか(笑)?
田中:だって、新体制になって3回目くらいで、新メンバーが決まって2週間後だったんですよ。レッスンも詰め込みでやったような状態でのライヴだったので(笑)。
成田:いや、ステージ上で何が起こってるかわからないけどすごい熱気があって、最終的にファンが神輿を担いでいる感じが良いなあって(笑)。
田中:ああ、なるほど。あの日のライヴで決めてくれたのは嬉しいですね。覚えてる?
みずほ:ネクタイしてライヴに出たのは覚えているんですよ。ライヴはあんまり(覚えてない)。すいません(笑)。
田中:まあしょうがないよね。

―田中さんは、常に“勝ちに行ってる”んですか?

田中:そうですね、でも今年はなんか勝ちに行ってるは勝ちに行ってるんですけど、観て欲しいですね。去年までの勢いでガツガツ行くところは去年と変わらずに、共演した人にも「結局ベルハーが良かった」って言わせたいし。だけど、良いとか悪いとか抜きに、嫌いでも良いから観て欲しいですね。今年は、TIFとか@JAMとか色々出させてもらったんですけど、とにかく綱渡りをするというか、イベントを止めないという(笑)。際どいんだけどちゃんと最後までやり切るというのをテーマにしていて。だから途中で音が止まってもインパクトを残せば勝ちみたいなことは今は全くないですね。

―確かに、ベルハーのライブはイベントの運営側に注意されて中断させられるのでは…と感じるときもあるかもしれません。

田中:実際、うちは良く止められたんですけど、やっぱり最後までちゃんと観てもらわないと。一方的に「爪痕残したー!」みたいな感じでも、初めて観る人にとってはなにが良かったのかわからないうちに、ただ熱気とかアバンギャルドさとか伝わって完結するんじゃなくて、最後まで観てもらたいんです。「よく今のライヴ、最後まで止められなかったな」という感じでも良いから、とにかくギリギリの綱渡りをして行くというのが、今年のテーマです。“ちゃんとやり切る”という。
成田:俺、MARZでもひそかに田中さんの動きをずっと見てるんです(笑)。リハのときも「今回はこういう感じで」とかも実は盗み聞きしているんですよ。
田中:ははははは!
成田:素晴らしいなって。
田中:それは知りませんでした(笑)。でも去年までとは明らかに違うのはそこかもしれないですね。毎回毎回、「今回はどう勝つか、今回はどう勝つか」だったんですけど、今年は少し先を見越して、こういうライヴは今のうちにやっておかないと後から身に着かないからとか、こういう下げ方でも説得力を持たせる為に今のうちからやっておく、その代り今日は外してしまうかもしれないとか。そういう意味で去年より冒険している感じはありますね。何年後とかを見据えていますね。そういうのを大きいフェスに出させてもらったときに発揮して行けたらなと思います。

―田中さんの手法で、ユニットの『夏の魔物』に活かしたい部分ってどんなところでしょう?

成田:メンバーとの関係性が羨ましいなっていつも思ってました!インタビューでもそうですし、現場で見ていてもそうですし。
田中:でも、楽屋で一緒になるとどの運営からも「ベルハーの運営だけはやりたくない」って言われるんですよ。
みずほ:なんでですか~!?
田中:メンバーとのやりとりとか見ているとツラいって絶対言われますよ(笑)。Especiaとリリスクの運営さんにも言われましたし。だから関係性が良いっていうのは初めて言われましたね(笑)。
成田:なんか、指示も的確だなって。
田中:(みずほに向かって)的確だって。「イエイ」は?
みずほ:それはイエイじゃない、私は褒められてないから。田中さんがイエイなだけで。
田中:ああ、そうか(笑)。
成田:先日出てもらったとき(8月28日新宿MARZ)も、本番が終わった後すぐにみずほちゃんは自分の出番の映像を観ていて。そういうところがすごいなって思いましたね。
みずほ:ありがとうございます。

―それはどういうところを観ているんですか?

みずほ:観て、なんか「ダメだなあ」とか「次はがんばろう」とか。
ライダー:それは全体的なことを?
みずほ:それとか、自分とか。全体は、振りが違うとかはわかるけど、なんか全体的な雰囲気とかは私はわからないから、自分を観てもっと歌とかダンスができるなって思ったら、「次はがんばろう」って思っています。思ってますけど出来てますかね(笑)?
田中:一番ストイックだと思うんですよ。しゃべるとふざけてるのかなと思うんですけど(笑)。
みずほ:なんで(笑)。
田中:でも根は真面目です。その真面目さが真面目なまま外に出ないからすごいなと。頭おかしいのかなって思うんだけど(笑)。でも考えてることはすごい真面目なんですよ。一生懸命に生きててこうなので、だからもう正解なんですよ、生き方が。なんか日本語おかしいなって思っても、正解なんです。いちいち正そうと思わない。俺よりよっぽど考えてるし。日本語の間違い最近あんまり指摘しないもんね?
みずほ:でも間違っていると思っていないから、指摘してもらわないとわかんない。
田中:それは指摘して欲しいの?
みずほ:言い方による(笑)。優しく「違うよ~」って。
田中:語尾にハートマークを付ければ良い?
みずほ:ハートマークは違うんですけど、波線をつけて「違うよ~」って。「違うよ」って冷たく言われると、聞こえないふりをするかもしれない。
田中:「違うよ~」だったらちゃんと聞く?
みずほ:だったら聞いてるフリをします。ん?ちゃんと聞きます、はい。

―こういう感じが羨ましいんですか?

成田:なんかこう、こういうキャッチボールがうらやましいですよね。
ライダー:キャッチボールでは無い気がするけど(笑)。
成田:「夏の魔物」は、過去はこんな風な関係性をうまく築けてなかったから辛かったのかも。
ライダー:そうだね。社長はメンバーでもあるし、でも裏方もするし。完全に運営とメンバーという関係ではないというのもあるからね。だからメンバーとの付き合い方はどうしても違うけど、ストイックだけどかなりぶっ飛んでいるというのはかなり近いと思います。

―みずほさんはなぜベルハーを続けているんですか?

みずほ:なんででしょう。最初は、楽しかったから。ライヴが楽しい。楽屋がつまらなかったり、嫌な空気とかでも、ライヴが楽しいからがんばろう、みたいな感じでした。
成田:今は?
みずほ:今は、動画とか観ても最高じゃないから。自分が最高って思わないから。まだ駄目だなって思うところがいっぱいあるから、それが全部最高に変わったら、辞めます。わかんないけど(笑)。
ライダー:今最高に行くための過程なんですね。
みずほ:最高というか、完璧か。まだ駄目だから、歌とかダンスとか。
田中:まだ頑張れる余地があるということだね。でも最高になって、その最高の状態をもっと観てもらおうとは思わないんだ?
みずほ:ああ~でも、どんどんみんなもがんばるから、最高の状態で辞めないといつのまにか抜かされちゃうじゃないですか?
成田:ははははは!
ライダー:すごい横綱みたいな考え方ですね(笑)。
みずほ:横綱(笑)。最高だけど、ずっと続けてたら、みんなに抜かされちゃうから。
田中:わははははは!かっこいいなあ。
みずほ:かっこいいですか?
田中:最高の状態が100として、今自分はどれくらいなの?
みずほ:ええ~。うーん…80!
全員:高いな(笑)!
みずほ:あ、じゃあ60。やっぱり50。やっぱり40で(笑)。

―半分になりましたけど(笑)。

みずほ:はい、それで(笑)。
田中:でも自分が思う最高の状態がさ、上がって行くかもしれないじゃん?だって100が最高だと思ってたらじつは150があるとか。そしたらその150を目指せば良いなじゃない?
みずほ:うん、うん。だから今私、成長期。パフォーマンスとか。振付のゆうこ先生が誉めてくれるんですよ。前まではちょっと違うよ、って言われてたんですけど、最近は「いいよいいよ」って誉めてくれるから嬉しい。
ライダー:頂点を目指して戦い続けるファイターって感じですね。
田中:今目標にしているのは誰なんだっけ?
みずほ:前まで6人のときは、ゆうちょす(美月柚香)のパフォーマンスが好きで、目標にしていたんですけど。今はいないので、ゆうこ先生とかが目標です。

―前はメンバーを目標にしていたんですね。

みずほ:はい、一番近いから動画とかでも見えるじゃないですか?だから目標にしやすかった。
田中:あれ?最近言ってたじゃん、目標にしている人って。
みずほ:あ!(ももいろクローバーZの百田)夏菜子さん!ベルハー以外だったら夏菜子さんが目標。
田中:目指している人の話で、ベルハーの内部でってことはないでしょ(笑)。
みずほ:だって、内部の方が見やすいじゃないですか、ダンスとか。
成田:なんで夏菜子さんが好きなんですか?
みずほ:ライヴDVDを観たら夏菜子さんが好きになってました。パフォーマンスが最初から最後まで凄いし、歌も上手いし。だから私は百田夏菜子になるんです。絶対なる!
田中:海賊王のように宣言したね(笑)。

―前にナタリーのインタビューで「大きなステージに行きたい(http://natalie.mu/music/pp/bellringgirlsheart)と言ってましたが、そういう気持ちでしょうか?

みずほ:大きいステージにも立ちたいけど、MARZさんのようなステージにも立ちたいと最近は思うようになりました。だって、大きい所に立つと人が蟻で。人が蟻で人っぽくないから…え~と…(田中の腕をバンバン叩き出す)。
田中:痛い痛い痛い痛い!
みずほ:え~と(笑)。
田中:わかるわかる、お客さんの反応が近い身近な会場でもライヴをしたいし、たくさん集まってくれて嬉しいなっていうのも両方やりたいんだよね?
みずほ:はい、そうです(笑)。

―9月12日の「夏の魔物」は大きいステージ、リングでライブですね。しかも、四方からお客さんに囲まれていますし。

みずほ:はい、180度。
田中:360度ね。
みずほ:360度!すごい。

―今回はどのようなライヴを考えていますか?

田中:今回は新メンバーが3人入っていて、今までのメンバーだったら柔軟に、360度囲まれててもいつもの振りをパパパっと変えることができるんですけど、3人にとっては初めてなので、四方八方意識しないといけないという意味で良い試練だなと思います。それとみずほを含めて今までがんばってきている4人がそれをどう3人に伝えていけるかというのも。まあ無理だったら、リングを降りて無理矢理メインステージに行くので(笑)。
成田:もちろん良いですよ!うちはNGないですから(笑)。

―今回はBiSHからのベルハーという流れも注目ですね。

成田:そこはあえて並べましたね。基本的に前田日明さんのように、「誰が一番面白いか決めたらええんや!」っていう思いが今年は年頭にあったので。そう考えた時、BiSHとベルハーは今一番面白い組み合わせかなって。
田中:BiSHの曲のキャッチーさとお客さんの盛り上がり方って、じつはベルハーと似ているようで全然違うんですよ。
成田:そうですね。
田中:だから、BiSHで出来上がった土壌をベルハーがどう変えるか。比べられがちなんですけど、全然別物ですから。多分、BiSのときの方が似てたかもしれない。BiSHの盛り上がり方は、もっと拳が同じ方向を向いている感じというか。ベルハーの混沌としている感じとも違うし、BiSのお祭り感とも違うし。だからそこで出来上がったお客さんのムードを潰したいなとは思いますけど(笑)。“台無しカッコイイ”みたいな(笑)。
成田:渡辺淳之介さんはこの日に向けて何かスゴイものを用意しているらしいので、楽しみですね。
ライダー:そうなんだ!?気になるね。
田中:渡辺さんとしてはたぶん、研究員のあの流れに一切の名残惜しさがないかといえばわからないけど、割ともう決別しているんですよね。今のお客さんとどこまで行くかといいうことを考えていると思うので。たぶん面白い結末があるんでしょうけどね(笑)。
成田:他で見れないもの、この激突がよりヒートアップするものが本祭では観れるんじゃないですかね。

―みずほさんは、ファンの方についてはどう思っているんですか?

みずほ:ベルハーってTシャツがいっぱいあって、ステージからベルハーのオタちゃんってわからないんですよ。だから最近ライヴをしていて思うのは、PAさんとかスタッフさんとかもみんな楽しければ良いなって思ってやっています。やりながらも、ベルハーを観ていて「ああ楽しい!」って思ってくれたらなって。
田中:自分は楽しませてるという自覚はある?それともまだまだ?
みずほ:マイクを渡してくれる人が最初は真顔だったのに、最後に方に目が合ったら笑ってくれているときがあったら「やった!」って思います。(バンドとのツーマンで最初は嫌そうに見ていたバンギャが最後には)笑ってた。超嬉しい。
田中:それは気持ちを動かすってことだからね。
みずほ:勝つためには、メンバーみんなでがんばる!そしたら、みんなでがんばってるなって目に見えて伝わると思いますから。がんばります。でも私、「みんなでがんばろう」ってメンバーに言えない人なんですよ。思っていても言えない。「振りが違うよ」とかは言えるけど、「今日はいっちょがんばろう!」みたいなのは言えない。
田中:いっちょがんばろうって言ってみれば、今度。
みずほ:いっちょがんばろう、なら「えっ?」みたいにならないかな?
田中:みんなちょっと頭おかしいんですよ(笑)。本番前に「今日はがんばろう」みたいな空気を出してもみんなついてこないというか。メンバー同士で作って行くのがむずかしいんです。みんな「自分が引っ張る」っていう責任を負うのが怖いというか。他のメンバーからも言われますけど、下手に「今日はこういう風にやろうね」って言って、自分が仕切るのを待たれちゃったらどうしようとか。そうなっちゃうみたいですけど。
みずほ:ライヴ中は「私こんなにがんばってるからみんなもがんばって」と思いながらやったりしてるけど、それを言葉に出してはまだできないし、やってない。
田中:MCで一回やってみたら?板付きのときに「みんながんばろう」って。
みずほ:でも一回やったことはあるんですよ。途中で田中さんをチラッと見たら、すっごい怖い顔をしてたから。
成田・ライダー:ははははは!
田中:(苦笑)。
みずほ:そのときは、「みんながんばろう」って言った。
田中:それをMCでやっちゃうんだよ。お客さんの前で言われたら、メンバーもさすがにがんばらなきゃいけなくなるから。
みずほ:でもそれでメンバーの気持ちが萎えちゃったらどうするんですか?私に言われたら「えっ?」みたいになって萎えちゃったら。

―「もっとこうすればカッコイイのに」っていうのが、みずほさんの頭の中ではわかっているわけですよね?

みずほ:自分のことはわかるけど、全体的にはわかんない。
田中:自分以外のメンバーが「ちょっと違うな」と思っても、それが個性なのかただ単にやる気がないのか自分にはわからない、ということ?
みずほ:うん。
田中:板付きのときとかに、「あ、ちょっと次の曲行くの待ってください」って止めてさ。「みんな、がんばっていこう?もっと本気出して行こう?」ってやってみたら?
みずほ:じゃあ、私が「みんなやる気なさそうだな」って思ったらやりますね(笑)。
成田:ははははは!
ライダー:もう全然、この日(「夏の魔物」)でも良いよ。
みずほ:でもこの日は、みんなきっと気合い入れると思うんですよ。田中さんもよく「ヘッドライナーだよ」って言ってるし。

―メンバーのムードはどうなんですか?この日に向けて。
みずほ:(大きめの声で)い~いムードです!
一同:(爆笑)。
成田:ああ、本当ですか(笑)。
田中:いいムードなんだ?
みずほ:はい、いいムードです(断言)。
ライダー:今日一のコメントが出ましたね(笑)。
田中:「夏の魔物」に来る人に言い残したことはない?
みずほ:来るお客さんに?う~んと、ベルハーはきっと楽しいから、来て下さい。(成田に向かって)ベルハー観に来て下さいって言って下さい(笑)。
成田:ええ、俺が(笑)?
田中:ベルハーの時間とかぶってる他の出演者を観ようと思ってる人がベルハーを観てみたくなるようなことを言った方が良いよ。
みずほ:あ、「ベルハーに来なきゃ死ぬ」というのはどうですか?
田中:うん、良いよ。
成田:ガハハハハ!

―“ベルハーに来なきゃ死ぬ”これはもう絶対に行かなきゃですね。

田中:少なくとも当日魔物まで来ている人たちは、ベルハーのステージを選ばないと…
みずほ:死ぬ!空気感染で死ぬ。
田中:わははははは!
ライダー:空気感染(笑)!
成田:夏の魔物の象徴らしい締めになりましたね(笑)。というわけで全国のみなさん、ベルハーという神輿を担ぎに来て下さい!
みずほ:よろしくお願いします!ありがとうございました。